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CAST VOICE 第五声

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CAST VOICE 第五声:「自分に正直な気持ちを偽らないで。」(2006年)

自らトゥーマッチなほどビジネスライクなミュージシャンというKOKIAさん。それは自分をきっちりとプロデュースできるということでもある。


— クライアントからのオーダーに応えられる人は応えられるし、できない人はできないものかも。

KOKIA: でも注文の多い仕事をすると、勉強になりますからね。最初は何言ってるんだろうと思いましたけど。こんなに注文とか言われるんだーって、すごく思いました(笑)。

— 途中でイヤになったり。

ありましたよ。何度もあったけども、最終的に自分にとって何がいいかですよね。もうイヤだと言うこともできるけど、すごく耐えた後には必ず、それなりに自分の肥しになってるんですよねぇ。何か一個はあるはずなんです。どんなにちっちゃくても。

— エライ!

例えば、自分はバラードが書きたかったけど、アップテンポな曲を書いて欲しいとオーダーされて、テンポ感のある曲を書く。でも、ちょっと自分っぽくないと実は思ってる。イヤだなと思っているのは事実なんだけど、お題を出されてやってみると…。

— 私ってアップテンポな曲も書けるんだ!と。

やらないと見つけられない自分って、いっぱいありますよね。話がずれちゃうかもしれないけど、観てないビデオを面白くないと言えないじゃないですか。だから私はいつもトライして、ダメだったらそれでいい。トライもしないのに、知ったかぶりはしたくない。

— もういいや、とは思わない。

やらないと気がすまない。やり残したくない。


まさにプロフェッショナル!この位のハートがないとプロのミュージシャンとしてやっていけないのだろう。そんなKOKIAさんから読者へメッセージをもらった。


— 何かになりたくて、まだなれていない人がたくさんいると思いますが、そんな人達にメッセージを。

KOKIA: そうですねぇ…一つの角度からダメでも、もうダメだと思わずに、こっちの角度がダメならあっちはどうよとか。具体的に言えないけど、(どんなことにも)色々なアプローチがあると思う。特に今、誰でも何でもできる時代だと思うんですよね。本当にやる気があれば。

— だから…

あの手この手でがんばって欲しいですね。だって、夢とかやりたいことって、自分の中で唯一守れること。正直な気持ちじゃないですか。だから、そこは偽らないで欲しいですね。

— なるほど。

私も20歳とか25歳の時に、10代の時より「ああ、もう歳だからこれはできない…」とよく思ったんだけど。でも、手遅れはないんですよね。

— ダメだと思った時点で終わり。

うちの母はもう50いくつですけど、自分のやりたいことはかたくなに真正面から向かっていきますからね。すごいなって思う。


「歌うからには、自信もって。でないと失礼。」


— KOKIAさんは自信があります?自分をアピールするというか、自分の出し方に自信がある?

KOKIA: 私はわりと、分からないふりをする方なんですね。とぼけたふりをする。隠すの。私はこうだ!こうだ!というのではなくて、とぼけといて、後から。

— 隠し持ってる方だ。

あまり切り札は早い段階で出さないですね。でもね、自分に自信があるかは分からないけど、歌とか自分がやっている行動ついては、自信を持ってやってます。あの人イヤな人じゃない?と言われてもいい位に。

— それは、なぜ?

そのくらいの自信を持ってやってないと、ステージに立てない。何百人何千人相手にステージに立った時に申し訳ない。大丈夫なのかなぁなんて思いながら、お金払って来てる人にパフォーマンスするなんてありえない話なんで。私はすごい自信持って歌ってるし、自信持ったステージを送ってると思ってる。じゃないと、やっちゃいけないと思う。絶対。歌っちゃいけない。自信がない人なんて。

— 考えてみると当たり前ですよね。

色々経験を積ませてもらったから、今はそう思う。だから最初はみんなどの分野でもヒヨッ子。それが当たり前。それを育ててくれる世代がいるんです。上の人って常に、アホみたいなことにつき合ってくれて、目をつぶってくれてるんですよ。

— 若い時は気がつかないけど。

そうやって、若い人を回してくれるんだから、いっぱい気づいていっぱい学んで成長ないといけない。でも成長するどころか、違うようにとってしまう若者がたまにいる。

— ひねくれたりして。

そうそうそう。でも、それはそれで終わりだから。その人が悪いんだから。成長しないです、それ以上は。だから私は、歌うことに関しては自信を持って歌ってるし。

— KOKIAさんは謙虚なのか、自信家なのか。

わかんないでしょ(笑)。


エンタテインメントを追求するプロ精神がKOKIAさんを歌わせてるんですね。歌だけでなく、イラストを描き、洋服もつくり写真も撮る彼女。したいことが色々ありすぎて、人生をスリーウェイで動きたいくらい。

(このインタビュー、終わり。)

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