概要
2026年1月8日に、香港の歌手である炎明熹(Gigi Yim, ジジ・イム)が香港のラジオ番組「叱咤樂壇」(Ultimate Song Chart)に出演した際のインタビュー内容。ジジ・イムの事務所移籍およびKOKIAと共同制作した「風旅 Voyage…」について。
ジジ・イム公式のYouTube動画「風旅」
- 作曲: KOKIA
- 作詞: Oscar
- 編曲: KOKIA
- プロデュース: Edward Chan
- 歌唱: 炎明熹(ジジ・イム)
番組公式のYouTube動画
ラジオ番組内容
DJ: お久しぶりのGigiさんをお迎えしました。
Gigi: 皆さんこんにちは、Gigiです。
DJ: 炎明熹(Gigi)さんは昨日、Sony Music Greater Chinaへの移籍記者会見を行い、正式に新たなチャプターをスタートさせました。ファンや「Gi炎粉」(Gigiファン)の皆さんに「I’m back!」と伝える形になりましたね。振り返ってみると、去年舞台に出演した後、個人事務所を設立したという報道があり、皆さんは彼女が独立歌手として活動していくものだと思っていました。その後しばらくの間、公の場から姿を消していましたが、24日にファンミーティングを兼ねたソロコンサートを開催しましたね。ただ、そのコンサートでは自分の曲は1曲だけで、あとはすべてカバー曲だったとか。
DJ: そして皆の意表を突いて「叱咤(音楽賞)」に観客として現れ、ついにSonyへの移籍を正式に発表しました。この1年余り、前の会社を離れてからの「風の旅」を、あなた自身はどう表現しますか?風のような漂流?それともリラックスした状態?あるいは迷子のような感覚でしょうか?それとも「Go with the flow(流れに身を任せる)」という感じ?この1年の心境を教えてください。
Gigi: 実は、今おっしゃったことすべてが当てはまります。ファンミーティングでの小さなコンサートにそのテーマを選んだのは、偶然だったんです。というのも、元々はご存知の通り、私は歌うとなるとすごく緊張してしまうので。だから、ただシンプルなファンミーティングにして、皆さんとお話ししたり、写真撮影やサインをしたりして、一人ずつお見送りするような形にしたいと思っていたんです。
DJ: 純粋に皆に会いたかっただけなんですね。
Gigi: そうなんです。でも、なぜか歌うことになってしまって(笑)。スタッフが話し合った結果、「久しぶりに会うんだし、皆あなたの歌声を聴きたいはずだから、音楽で交流する小さなライブにしよう」と提案されたんです。私は「本当に大丈夫かな」と迷いましたが、最終的に「分かりました」と。
Gigi: 選曲の時は、自分が歌いたい曲や伝えたいメッセージがある曲をバラバラに選んでいました。でも、それだと統一感やストーリー性がなかったんです。音楽監督の小彤(シウトン)さんに「ストーリーの骨組みが必要だよ。各パートに意味を持たせないと物語にならない。ただ歌いたい曲を並べるだけじゃ、めちゃくちゃになってしまうから」と言われました。それで彼が提案してくれたテーマが「風」だったんです。
DJ: なるほど、小彤さんと相談して決めたテーマだったんですね。
Gigi: はい、そしてちょうどこの曲が、その「風」をテーマにした物語を繋げていきたいと思ったんです。
DJ: 気軽なファンミーティングのつもりが、蓋を開けてみれば5,000人規模のコンサートになっていたわけですね。さて、ここで皆さんに説明してほしいのですが、個人事務所を立ち上げていたあなたが、いつ、あるいは何に惹かれて、最終的にレコード会社の所属歌手になる決心をしたのですか?
Gigi: 実は私、意外と冒険心があるタイプなんです。自分にとって確信があるような、平坦で無難な道だけを進みたくはないというか。
DJ: でも、個人事務所を運営する方が、会社に守られているよりずっと挑戦的だと思いますが。
Gigi: ええ、それで私は当時、記者の方に「なぜ個人事務所を?」と聞かれたのをよく覚えています。私は「明日にはもう個人事務所はやめているかもしれないし、いつ失敗するかも分かりません」と答えました。まさか今日、このような形で皆さんと再会することになるとは思っていませんでしたが、まずは自分で挑戦して、状況を理解した上で次の決断を下したかったんです。
DJ: 業界の噂も含め、多くのレコード会社やマネジメント会社、制作会社からアプローチがあったはずです。個人事務所を持っていたあなたを動かした、決め手は何だったのでしょうか?
DJ: Sonyはいつ頃現れたのですか?「今はまだ自分一人でやらない方がいい」と思わせ、契約に至った最大の理由は何ですか?
Gigi: 私はずっと感謝の気持ちでいっぱいです。デビュー前から今に至るまで、多くの先輩方が私をとても可愛がってくれました。活動をお休みしていた期間も、Jean(ジーン)さんやEdgar(エドガー)さんといった先輩方に相談に乗ってもらいました。彼らは本当に親身に励ましてくれて。私は話すのが苦手で考えもまとまらないタイプなのですが、彼らはじっくりと私の話を聞いてくれて……。
Gigi: 私の考えを引き出し、色々な方向性を提案してくれました。Edgarさんには「自分で作曲してみたら」とも言われました。実は自分でも挑戦しているのですが、まだ完璧ではないので、皆さんに聴いてもらう勇気はまだありません。
DJ: でも、このせっかちな世の中ですから、2026年には期待してもいいですよね?
Gigi: それは会社やチームと相談しないと(笑)。
DJ: あなたが事務所のオーナーなんだから、あなたが決めていいんですよ。
Gigi: レコード会社側にも提案はしてみます。でも「社長」になるというのは、私にはまだ現実味がないというか……。そんな威厳もオーラもありませんし。それに、私ってよく今日決めたことでも、明日には「やっぱりあっちにしましょう」と気が変わってしまうんです。そんな社長だと、スタッフもどうついていけばいいか困ってしまいますよね。
DJ: アイデアをたくさん出すのは良いことですよ。クリエイションはあなたから生まれるものですから。それを周囲のスタッフや会社、マネージャーが形にするのを助けてくれる環境は素晴らしいと思います。では、どのタイミングで「会社に入ろう」という考えに変わったのですか?また、契約に際して最も重視したことは何ですか?Sonyとはどのようなコミュニケーションを取っていますか?
Gigi: 私たちが共有している理念の一つは、「自由度」ですね。自分たちでチームを築いてきたので、その仲間たちをバラバラにしたくなかったんです。チーム一丸となって、どこかに自分たちの「居場所」を見つけたいと思っていました。
DJ: 今、炎明熹さんは腕をテーブルについて、まるで「前進あるのみ」というような前のめりの姿勢になっていますね。
Gigi: それでお互いの理念が合うことが分かったので、「まずは一緒にやってみよう」ということになりました。正式に始動してまだ1週間も経っていませんが、ある種の変化を、これから少しずつ歩み寄っていく段階ですね。昨日ようやく皆さんの前に出ましたが、本格的なお仕事としては昨日始まったばかりなんです。以前にMV撮影やレコーディングはしましたが、時間はとても短かったので。
DJ: なるほど。ご自身のチームがあって、自由度もあるとのことですが、選曲やMVのコンセプトなどは、まずGigiさんのチームが考えたり、主導したりしているのですか?
Gigi: 基本的には私が言い出したことが多いです。KOKIAさんにお願いしたのも、ある日たまたま彼女の作品を耳にしたのがきっかけでした。
Gigi: 「ありがとう…」という曲です。あるドラマのシーンをまとめた短い動画で、その曲がBGMとして流れていたんです。それを聴いた時、ドラマの内容も相まってすごく感動しました。そのドラマというのは『1リットルの涙』なのですが、皆さんは見たことありますか? 本当に感動的で。それで、また新しくリスタートするにあたって、「光栄にも、もしKOKIAさんに曲を書いていただけたら……」と考えたんです。彼女の他の作品、例えば「フクロウ」という曲も聴きましたが、あのミステリアスで、どこか……
Gigi: おとぎ話のような世界観が大好きなんです。私もそんな曲を持って、自分の旅を始めてみたいと思いました。それで思い切ってチームに「これって実現可能かな?」と聞いてみたところ、レコード会社を通じて連絡を取ってくれました。それから、KOKIAさんに曲を作っていただくために日本へ飛んで、実際にご本人にお会いしたんです。
DJ: それはすごいですね!
Gigi: でも私たちは日本語が話せないので、スタッフに間に入ってもらってコミュニケーションを取りました。日本には1泊2日で滞在しました。2日目にはもう帰国したので、その後のやり取りはメッセージで行いました。
DJ: 初めてお会いしたKOKIAさんの印象はどうでしたか? どんなやり取りをしたのでしょう?
Gigi: とても優しくて穏やかな女性でした。私は最初、すごく緊張していたんです。自分の考えを伝えるのがあまり得意ではないので、質問された時に支離滅裂なことを言ってしまわないか不安で。でも幸い、スタッフの皆さんもKOKIAさんも、辛抱強く私の話に耳を傾けてくれました。その結果、最終的に2つのデモ曲を作ってくださったんです。
Gigi: でも、今の「風旅 Voyage…」となるデモを聴いた瞬間、これだ!と一目惚れしてしまって。最終的にこの曲を選びました。
DJ: 時系列を確認すると、まずアプローチして、日本へ会いに行った時はまだデモはなかったわけですね。お互いを知るための対面というか。彼女も、香港から来たこの若い女の子がなぜ自分の曲を求めているのか、何を作ればいいのかを知る必要があったでしょうし。何か、あなたを理解するために聞かれた質問などはありましたか?
Gigi: はい、いくつかありました。「テーマはどういったものにしたいですか?」とか「あなたのお話を聴かせてくれますか?」といったことです。
Gigi: 私は、いろんなことに挑戦したいタイプだということを伝えました。以前から歌ってみたいと思っていた曲調もたくさんありましたし。でも彼女の「フクロウ」という曲が大好きだということも伝えました。あと、彼女に会う前か後か……たぶん会う前だったと思いますが、自筆の手紙を書いて持っていったんです。でも全部を日本語で書くのは難しくて、一部だけでしたが。
DJ: 日本語は少しできるのですか?
Gigi: 全然できないんです。だから曲名などを日本語で書いて、精一杯の誠意が伝わるように頑張って書きました。
DJ: 誠意は十分に伝わったでしょうね。
Gigi: その手紙を写真に撮ってスタッフに渡し、彼女に送ってもらいました。
DJ: ちょっと待ってください、Gigiさん、もしかして「天然」ですか?
Gigi: ある日気づいたんです。舞台の時の友人やスタッフからの手紙を整理していたら、カードやペンを入れている箱の中に、なぜかその手紙が入っていたんですよ。「あれ、私まだ渡してなかったっけ?」って(笑)。
DJ: 持ったままだったんですか!?
Gigi: そうなんです。
DJ: それ、インスタに上げたら皆が見られますよ。というか、今からでも彼女に郵送したらどうですか?
Gigi: メールで送り直します(笑)。
DJ: (恥ずかしそうにするGigiを見て)まあ、手紙は届かなかったにせよ、2つのデモを受け取ってこの曲を選んだわけですね。
Gigi: ありがとうございます。
DJ: デモも聴かせていただきましたが、本当に素敵です。いわゆる「空霊系(エーテリアル)」でワールドミュージックのような雰囲気もあり、Gigiさんがすぐに選んだのも頷けます。ところで、もう1つのデモ曲もどこかにストックして、後々リリースする予定はありますか?
Gigi: それは、皆さんの期待次第ですね(笑)。
DJ: 期待してます! 今すぐ「期待してる」って言いますよ。
Gigi: もう1つの曲はですね、うまく言葉をまとめると……この曲とは全く違うスタイルなんです。彼女のまた別の作品に近い雰囲気というか。
Gigi: 曲名を忘れてしまったのですが、漢字3文字のタイトルだったかな……。その時、「『フクロウ』のような旋律の曲をいただけますか?」とお願いしたんです。あのメロディから私が受けた印象は、森の奥深くに住んでいる女の子が、これまで一度も森の外に出たことがなかったけれど、ある日ふと「外の世界を見てみたい」と思う、というものでした。家の前には川が流れていて、そこにある小さな舟に乗って、どこへ行くかも分からず流されていく旅に出る……。
Gigi: 目的地がどこかも分からないけれど、とにかく森を抜け出してみる。このデモを聴いた時、そんな情景が浮かびました。元々は「花」をテーマにした曲だったのですが、「花」とその女の子の物語を融合させられないかと考え、そのディテールをMVで表現しました。
DJ: ということは、MVには舟が出てくるのですか?
Gigi: はい。
DJ: 森も?
Gigi: それと、とても綺麗な女の子も出てきます(笑)。
DJ: ありがとうございます(笑)。話を整理すると、去年の舞台劇の前にはもうこの構想があって、KOKIAさんにも会って、それから本格的に制作が始まったということですね。
DJ: エドワード・チャン(Edward Chan)さんがこの曲のプロデューサーですが、作詞家のオスカー(Oscar)さんはいつ頃から加わったのですか?
Gigi: 彼らとの巡り合わせは不思議なものでした。オスカーさんとは以前からご一緒したかったのですが、なかなかタイミングが合わなくて。今回は私からお願いして、エドワードさんも間に入って調整してくれました。実はオスカーさんには以前「Only for me」という曲を書いてもらったのですが、当時は時間が短くて。でも、彼は私の性格を少しずつ理解してくれていて、レコーディングの前にも、テスト録音の日に、長い時間をかけて話をしてくれました。あ、そういえば、彼はすごく「怖い」人だっていう噂を聞いていたんです。
DJ: え、本当ですか? まさか。
Gigi: 人によるのかもしれませんね。
DJ: 噂を鵜呑みにしちゃいけませんね。行く前はビクビクしていたんですか?
Gigi: 自分の記憶では「そんなに怖いかな?」と思っていたんです。以前のレコーディングではそう感じなかったので。でも結局、噂の真相が分かりました。ごめんねエドワード、ちょっと秘密をバラしちゃうけど。彼が編集や音のつなぎを考えて、どのテイクがいいか没頭している時、彼は完全に無言になって、黙々と作業するんです。その時の顔がすごく真剣で、威圧感というか、厳しいオーラを感じるんです。
DJ: あなたも黙っていると「真面目そう」とか「厳しそう」って言われるでしょう?
Gigi: そうですね、だからなるべく親しみやすい一面を見せるようにしています。
DJ: さっきGigiさんが言っていた「怖い」というのはエドワードさんのことだったんですね、オスカーさんのことかと思っていました。
Gigi: あ、そうなんです、エドワードさんのこと! 話が飛んじゃってごめんなさい。
DJ: エドワードさんは怖くないですよ、まるでお父さんのように皆を指導してくれます。ただ、作業に没頭している時は笑顔が消えちゃうのかもしれませんね。でも、この曲を録っている時の彼は、本当に魂を込めていて……
Gigi: 芸術家肌の方ですよね。私の歌い方の特徴を見つけて、「この部分はもっとユニークに」と提案してくれました。
Gigi: この曲にそういった特別な歌い方を取り入れるべきか、それとも別の表現がいいか、テクニック面での議論をたくさんしました。たまに、彼の学生時代の面白い話をしたりもしましたけど(笑)。歌詞の表現についても細かくて、広東語の発音をすごく丁寧に修正してくれるんです。「森」や「遠い山」という歌詞があれば、「遠い」という言葉にその距離感を感じさせるように歌う、といったこだわりを持って向き合ってくれました。
DJ: オスカーさんの話に戻りますね(笑)。エドワードさんの発音指導の話が出ましたが、彼が新しい歌い方を引き出してくれたんですね。この曲は「浮遊感」というか、言葉をあまりガチガチに発音しない方がいいのでしょうか?
Gigi: この曲は大きく分けて3〜4つのパートがあるのですが、例えば「woo(ウー)」というハミングの部分も、ただ声を出すだけじゃなくて、一つひとつに意味があるんです。
DJ: ハミングにさえ魂を込める、と?
Gigi: はい。最初の「woo」は少し不安定で、自分が何をしたいのか分からない迷い。2番目の「woo」は、「よし、方向性が見えてきたぞ」という少し芯のある感じ。そして3番目の「woo」では、自分の進むべき道がはっきり分かって、よりクリアで力強いハミングになる。そういった導きを彼がしてくれたんです。
DJ: その感情の違うハミング、どれくらい試したんですか?
Gigi: テスト録音の時に2〜3時間くらい試行錯誤しました。
DJ: え、そんなに!? 結構な時間ですよね。
Gigi: 長かったですね。でも楽しかったです。最初は少し緊張しましたが、プレッシャーもそこまで強くなかったので。本番のレコーディングの日も、最初は……
Gigi: 「よし、頑張ろう」という気持ちで臨みました。でも、この曲は本当に難しくて、とてつもなく難易度が高いんです! キーを半音下げるかどうかも試したくらいで。
DJ: キー選びは難しそうですね。
Gigi: そうなんです。今のキーで皆で聴き直した時に、スタッフの間でも「半音下げるか、原曲キーのままか」で議論になりました。最終的に原曲キーがいいということになって決まりました。歌い始めた時は、自分の中で「手応え(自分なりのプラン)」があったんです。
DJ: 「手応え」というのは?
Gigi: つまり……各フレーズをどう処理すればいいか、感覚を掴んでいたんです。
Gigi: ところが、何度も歌っているうちに、どんどん分からなくなってきて。普通は歌い込むほど慣れるはずなのに、逆に迷宮入りしてしまったんです。
DJ: それでさっきの「手応え」が「迷い」に変わったんですね。歌えば歌うほどボロが出てきて、それをエドワードさんがその都度直していくから、ミスした記憶が脳に刻まれて怖くなってしまった……。少し休憩して再開したのですか?
Gigi: はい。休憩時間に雑談をして、リラックスした雰囲気を作ってくれました。
DJ: それでまた録り直したのですね。気になっているのですが、コンセプトの考案から作曲家の選定まで、すべてGigiさんの主導で進め、録音スタジオでその世界観を完璧に表現するというのは、これまでのレコーディングと比べて心境の変化はありましたか?
Gigi: もちろんありました。でも、むしろ……自分でも成長したなと感じるんです。以前は自分の考えを言葉にするのが本当に苦手で。さっきお見せしたように、話しているうちに「別の場所へ飛んで」しまって、皆をちんぷんかんぷんな状態にさせたくない、という思いが強かったんです。
Gigi: 以前は、自分がどこかへ「飛んで」しまっていることに自分では気づけなくて、皆に引き戻してもらう必要がありました。当時のA&RだったVickyさんが「Gigi、こういうことが言いたいの?」と汲み取って、私の代わりにプロデューサーに伝えてくれていたんです。でも今回は、自分で直接プロデューサーとコミュニケーションを取るようにしました。やはり一歩踏み出して自分で伝えないと、成長できないと思ったので。
DJ: プロデューサーの皆さん、Gigiさんとお仕事する時は、彼女の話が「飛ぶ」ことがあるかもしれませんが、どうか温かく見守ってくださいね(笑)。プレッシャーを与えないであげてください。コンセプト作りからプロデューサーとのやり取りまで、彼女は本当に自立して、大きく進歩しました。
DJ: 引き続きGigiさんにお話を伺います。新曲「風旅 Voyage…」は昨日からラジオ等で公開されましたね。前半でもお話ししましたが、KOKIAさんの曲を美しい映像と共に聴いたことが、Gigiさんの中に強く残っていて、それでチームに「彼女にお願いしたい」と提案した結果、ご本人への依頼が実現し、日本へ会いに行き、2曲のデモから今回の曲を選んだと。そして次は作詞についてですが、今回本格的にオスカー(Oscar)さんとタッグを組むことになりました。彼との制作はどうでしたか?
Gigi: 実はずいぶん前から、なぜか彼の連絡先を知っていて、電話でやり取りをしていたんです。そこで私の思いをたくさん伝えました。
DJ: なぜ急にオスカーさんの名前が挙がったのですか?
Gigi: 以前、フェリックス(Felix)と話していた時に、「オスカーは本当にいいよ!」と薦めてくれたのがきっかけで、一緒に仕事をしてみたいと思うようになりました。元々彼の書く歌詞が好きで、よく聴いていたんです。私の最初のソロコンサート(『Gi
ORCE』)でも彼の作品を歌わせていただいたので、勝手に「ご縁があるな」と感じていて、今回お願いすることにしました。
Gigi: なぜ連絡先を知っていたのかは思い出せないのですが(笑)、彼とのコミュニケーションが始まりました。オスカーさんは本当に忍耐強く、私の支離滅裂な話を理解しようとしてくれました。私は考えをうまくまとめられず、大まかな構成案を出すことすら難しかったのですが、不思議なことに、彼は私の意図を完璧に汲み取ってくれたんです。
DJ: 以前お話しされていた小彤(シウトン)さんと同じですね。コンサート『風之女』の時もそうでしたが、今回の曲ともどこか繋がっています。
Gigi: はい。最終的には2、3回ほど書き直していただいて……。
Gigi: 彼は私の思いを汲み取ろうと、本当に親身になって助けてくれました。感謝しかありません。
DJ: 何度か修正したというのは、テーマの方向性が変わったからですか?
Gigi: それもありますが、私の「発音(ディクション)」の問題もありました。歌詞の中にどうしても綺麗に歌いこなせない言葉があって、「別の表現、あるいは別のニュアンスに変えられませんか?」と相談したんです。すると彼はいくつかの選択肢を提示してくれました。曲名についても、スタッフと一緒に選べるようにと、いくつも候補を出してくれたんです。
DJ: 本当に手厚いですね。他にどんな曲名の候補があったか、教えてもらえますか?
Gigi: 最初は「逆旅」という案がありました。
DJ:「逆旅」? それはバンドの「The Hertz」と同じタイトルですね!
Gigi: そうなんです、彼に指摘されて「あ、本当だ」と(笑)。次に「飄向(漂う)」というのも考えましたが、どこか「定点」がないような気がして。テーマには合っていましたが、「どこかを目指して漂う」というニュアンスが欲しかったので使いませんでした。最終的に「風之旅」になり、そこから「之(の)」を抜いて「風旅」に決まりました。
DJ: レコーディング中、この歌詞に心を打たれたり、自分を重ね合わせたりすることはありましたか? 「道に迷っても構わない」という一節がありますが、迷いながらも強い意志で進んでいくという内容ですよね。
Gigi: そうですね。最初は「とにかく完璧に録らなきゃ」ということに意識が向いていましたが、途中で、この曲は「自分自身の物語」を伝えるためのものだということに気づきました。これはラブソングでも他の誰かの歌でもなく、私自身のこれまでの道のりを歌っているんだ、と。それでエドワードさんが、あるアドバイスをくれました。私が自分の歌い方に固執しているのを見て……
Gigi: 彼は「もっと音楽を聴いて、音楽と対話してごらん。一文字一文字に集中しすぎなくていい」と言ってくれました。「広がる野原、遠い山、森、境界線……」といった言葉を追うのではなく、音楽に身を委ねて一緒に歩むんだ、と。そうしないと、ただ「歌が上手い」だけで、人の心を動かす歌にはならないと言われたんです。
DJ: 音楽に深く没入するように、ということですね。
Gigi: その通りです。
DJ: その方法は、あなたにとって難しかったですか?
Gigi: 最初は少し「殻を破れない」感じがありました。レコーディングは何テイクも重ねられるとはいえ、なるべく完璧な状態で録って、スタッフの手間(編集)を減らしたいという思いがあったので。
DJ: なるほど、編集なしの「ワンテイク」でいけるくらい完璧でありたかったと。本当に気遣いの人ですね。
Gigi: でも、その完璧主義がプレッシャーになっていたのも事実です。後になってようやく、エドワードさんの言葉の意味が理解できました。音楽と一緒に流れるように歌うと、明らかにフィーリングが変わるんです。自分でもそれを実感しました。普段のレコーディングなら、フレーズごとに綺麗に録ることを考えますが、そうすると……
DJ: フロー(流れ)が途切れてしまう?
Gigi: そうなんです。それに「次に何が来るんだろう」という期待感のようなものも消えてしまう。
DJ: 完成した音源を聴いて、今の自分の歌声をどう表現しますか?
Gigi: 一人の女の子が物語を語っているような感じですね。あえて「三人称」の視点で語っているというか。
DJ: 客観的な視点ということですか?
Gigi: はい。でも、実際には私の「一人称」の体験に基づいたもので、過去を振り返っているような感覚なんです。その女の子はもう「小さな家」を出て、森の中を探索し始めているんです。
DJ: その小さな舟もMVに登場しますね。それでは、炎明熹さんのために書き下ろされたこの作品をお届けします。作曲・編曲はKOKIAさん本人が手掛け、作詞はオスカーさん、プロデュースはエドワード・チャンさん。そしてトラックメイカーには、日本人の江口貴勅さんの名前もあります。この豪華な布陣で完成した曲、タイトルは「風旅 Voyage…」
DJ: 炎明熹さんの新曲でした。さて、新しいレコード会社への移籍という大きな節目を迎えましたが、2026年も引き続き学業との両立になりますね。
Gigi: はい、頑張ります。
DJ: 「事務所のオーナー」として、2026年の音楽活動をどう描いていますか? レコード会社との連携も始まりますが。
Gigi: 実はスタッフのみんなも私からの指示を待っている状態なのですが、まだ具体的なビジョンを伝えられていなくて(笑)。ただ、唯一決めている理念は「もっと多様な音楽スタイルに挑戦したい」ということです。まだ何を歌うかは決めていませんが、昨日の記者会見で披露したデモ曲が好評だったので、それをどうしようか考えているところで……
Gigi: 今後、また違った形(リリース形態)で皆さんに聴いてもらえるようになるかもしれません。
DJ: 別の形ですか? 昨日のデモとはまた違うアプローチがあるのか、期待が高まりますね。もっと「天馬行空(自由な発想)」で考えてもいいと思いますよ! この会社なら「周杰倫(ジェイ・チョウ)と組みたい」とか「日本のアーティストとコラボしたい」と言えば、きっと動いてくれますから。それから、『THE FIRST TAKE』への出演はどうですか? ウィッシュリストに入っていますか?
Gigi: 2、3日前だったかな、エドワードさんとレコーディングをしていた時に、『THE FIRST TAKE』で使われているようなヘッドホンを試させてもらったんです。その時……
Gigi: まるで「その場にいる」ような臨場感があって、自分がそこで歌っている姿を想像しました。素晴らしい挑戦になると思いますが、いざとなると少し「気後れ」してしまいそうで……でも、頑張りたいです。
DJ: 2026年、炎明熹さん個人の「ウィッシュリスト」には何がありますか?
Gigi: 私の唯一の願いは「ぐっすり眠れること」です。その次は健康ですね。皆さんの健康も祈っています。
DJ: 「ぐっすり眠れること」? ずっと眠れない日が続いているのですか?
Gigi: そうなんです。ずっと睡眠の質が良くなくて。思い返せば(『聲夢傳奇』の)オーディション番組が始まった頃から……
Gigi: あまりよく眠れなくなってしまいました。
DJ: つまり、デビューしてからずっと眠れない状態が続いているということ?
Gigi: はい。子供の頃は「完璧を求める」なんて言葉も知りませんでしたが、歌い始めて、自分の歌をこんなに多くの人に聴いてもらえるんだと気づいた瞬間、「成長」しなきゃと思ったんです。自分へのハードルが一気に上がってしまって、それがプレッシャーになり、考えすぎて眠れなくなって。
DJ: 頭の中が整理できない感じですか?
Gigi: そう言えるかもしれません。
DJ: でも、クマがあるようには見えませんが。
Gigi: 帽子を被っている理由の一つは、目の下のたるみやクマを隠すためなんですよ(笑)。
DJ: まだ若いという「特権」はありますが、慢性的な睡眠不足は放置できませんね。周囲の人に頼って、不安を分かち合うのも一つの解決策ですよ。
Gigi: 皆さん、何か良い方法があれば教えてください。ネットで調べた「米軍式睡眠法」や瞑想など、一通り試したのですが……。
DJ: 効果はありませんでしたか?
Gigi: あまり……。
DJ: 原因はやはりストレスでしょうね。脳が24時間フル回転している。それに加えて今は、自分で仕事の内容を考えなきゃいけない。「何を歌いたいか」という悩みも、ストレスになっていますか?
Gigi: それ自体はストレスだとは思いませんが……
Gigi: 普段から色々なことを考えすぎて、たまに呂律が回らなくなることがあるんです。伝えたいことが多すぎて一気に話そうとするから、相手に伝わらなくて。だから、まずはリストを作って「自分は本当は何をしたいのか」を整理すれば、もっとシンプルに伝えられるのかなと思っています。
DJ: そうですね。まずは私たちと一緒にリストを埋めていきましょう。2026年はアルバムを出したいですか? コンサートは?
Gigi: ステージでのパフォーマンス、つまりライブやコンサートについては、まずもっと「曲のストック」を増やしたいと思っています。まずは質の高い楽曲を皆さんに届けることに専念して、それから音楽で皆さんと交流できる場を作りたいです。
Gigi: なのでコンサートはまだ先になるかもしれませんが、曲作りではもっと多様なスタイルに挑戦したり、色々なミュージシャンとコラボしたいですね。
DJ: 今夜にでも連絡先をチェックして、気になる人がいたら声をかけてみたらどうですか?
Gigi: 私は……すごく人見知りなので、直接電話番号を聞くのは恥ずかしくて(笑)。InstagramのDMならいけるかもしれません。
DJ: いいですね。2026年は、あなたのプレッシャーが少しでも和らぐことを願っています。
Gigi: ありがとうございます。
DJ: そして、あなたが理想とする音楽をたくさん生み出してください。
Gigi: ありがとうございます。